先般の理事会にて脳死臓器移植に関する日本脳神経外科学会の基本的見解と対応が承認されましたので、お知らせいたします。
脳死検討委員会 永廣 信治
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1 基本的見解
日本脳神経外科学会は、適切な治療によっても救命できなかった患者及びその家族から臓器提供の申し出があった場合、その尊い意思を生かすために、臓器提供施設における法的脳死判定及び臓器提供の実施を支援する。
そのため、法的脳死判定及び臓器提供に携わる医療従事者及び施設の負担を軽減するための方策や体制整備等の検討を行うと共に、脳死下臓器移植に係わる様々な課題を解決するための科学的検証を行う。
また、日常の脳神経外科診療を妨げることなく、脳死下臓器提供を適切に実施するために、提供施設に対する正しい理解と支援が必要不可欠であることを、国や行政、社会に提言する。
2 学会としての対応
1)臓器提供施設への支援
(1)学会と7支部が連携して、提供施設を支援する組織を構築する。
(2)法的脳死判定経験者、脳波検査支援者等の派遣や助言体制の構築を行う。
(3)教育セミナーや講習会の実施、マニュアル等の整備を行う。
(4)臓器提供施設の現状調査を行い、問題点の検討と解決策を考案する。
(5)提供施設の救急体制整備や人的・経済的支援の充実等に関する提言を行う。
2)臓器移植ネットワークとの組織的協力体制の構築
学会および7支部と臓器移植ネットワークとの協力体制を構築する。
3)脳死臓器移植制度への協力
(1)厚労省臓器移植対策室との連携を強化する。
①検証作業班に参加し適切な移植医療の遂行に協力する。
②移植関係の研究班や委員会に積極的に参加する。
(2)臓器移植関連学会協議会に積極的に参加し、学会の代表として提言する。
(3)提供施設の認定基準に関する検討を行う。
4)学術的な協力
(1)小児脳死例に関する調査や病態の検討を行う。
(2)脳死判定における補完的検査(脳血流や誘発電位等)を検討する。