専門医制度に関する声明

平成28年7月6日

一般社団法人 日本脳神経外科学会
理事長 嘉山孝正
理事長顧問 寺本 明
専門医認定委員会委員長 鈴木倫保
卒後・カリキュラム委員会委員長 甲村英二
生涯教育委員会委員長 三國信啓

日本脳神経外科学会では、2017年度の「専攻医募集と教育」を従来通り、学会主導の質の高い専門医を育成することを理事会で決定し、既に各研修プログラム責任者に通知を行い、併せてホームページにも掲載しております。
専門医更新についても、本学会生涯教育制度を基本とした従来の更新制度に則って実施いたします。引き続き日本専門医機構との交渉は行いますが、時間切れの場合には単年或いは複数年の延期を考えております。

その理由について、本学会専門医制度のこれまでの改革の歩みと実績からご説明いたします。

【概略】

脳神経外科専門医制度は昭和41年に発足以来、国民の健康・福祉の増進に貢献するために、脳神経外科領域の基本的・応用的・実践的臨床能力を備えた医師を育成してきました。 脳神経外科専門医の定義は、脳神経外科領域の病気すべてに対して、予防や診断、手術的治療および非手術的治療、リハビリテーションあるいは救急医療における総合的かつ専門的知識と診療技能を持つことであります。 専攻医は、初期臨床研修後4年以上の定められたカリキュラムを、学会認定の施設で研修・習得してはじめて、厳正な試験の受験資格が与えられます。合格の後も所定の生涯教育を継続して、 常に最新の知識・技量の獲得につとめなければ、専門医の更新は認められません。我々は50年もの長きに渡りプロフェッショナルオートノミーのもとに「質の高い」専門医を育成してきた歴史があります。

【研修プログラム制度】

脳神経外科学会では、医療の進歩に応じて常に良質な専門医の育成を目指し、専門医制度の改善を行ってきました。2011年度から他領域(学会)に先駆けて、複数の病院群から構成される研修プログラム制度に移行しております。 その導入においては大きな混乱もなく5年が経過し、昨年度は全てのプログラムを再評価して二期目の5年間の運用が開始されました。このプログラム制の実績から、日本専門医機構は専攻医教育制度として我々の 「研修プログラム制」を導入されたものと自負しております。

【日本専門医機構への対応】

日本専門医機構の指示に対しては、これまで専門医の質の向上に資する事項については是々非々で応じ、2017年度より機構プログラムに完全に移行すべく細部での制度調整を行って参りました。 しかし、本年度中に機構がどこまで制度整備可能か明確でない昨今の現状では、揺らぐ制度に中途半端に移行することは研修医、専攻医、専攻医教育現場、地域医療の混乱を引き起こすことが大いに懸念されます。 従って、2017年度は従来通り学会の研修プログラムによる専攻医募集を行うことを決定し会員に通知しました。

【今後の方針】

  • 昨今問題視されている地域医療への配慮に関しては、脳神経外科学会専門医の人口あたりの都道府県格差は約2であり、全ての領域中で1,2を争うほど均霑化が進んでいることを改めて申し述べたいと思います。 しかし、さらに都会・地方の別なく患者中心の医療を行えるように、プログラムの運営、専攻医の配置や異動に際しては、地域医療への配慮を行うように各プログラム責任者に改めて通達を行いました。
  • 各プログラムの募集定員は教育資源、指導体制、症例数などに基づいて、本学会専門医認定制度内規に則り自律的に定めます。
  • 今後、日本専門医機構による専門医制度の動向が明確となれば、プロフェッショナルオートノミーのもと専門医制度を均質化して専門医の質を高めるという方向に向けて協議を行いたいと考えています。

専門医更新

日本脳神経外科学会では2012年から専門医更新要件として脳神経外科診療への従事、クレジット取得、学術集会への参加と講習会受講を定めています。昨年末までに専門医全員が厳格な更新審査を受けており、 専門医機構が定める更新基準にも十分に適合すると考えられます。しかし、機構の更新制度では我々のプロフェッショナルオートノミーに配慮は無く、講習会受講単位制や認定手順などで会員への混乱が懸念されます。 従って、専門医更新も現行の本学会専門医生涯教育制度(クレジット取得制度)に則って実施し、今後も専門医機構との交渉を続けて参ります。

以上

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